Diary...日記、っぽいもの


     CoverGirl No.17

05/11/1996 ぐずぐず

昔勤めてた会社の近くにあったサ店。じゃなくて。こんなこと書いたって、ウケてくれる読者は師匠だけだよなぁ。
てなわけで、鼻がぐずぐずする。一般的に言うところの風邪状態だ。先週からこの状態がずっと続いているので、集中的に治すために会社を休もうかと思わないでもない。が、しかし、忙しいわけではないが、毎日1つはその日のうちに出社して片付けねばならない仕事があるので、そういうこともできないわけだ。まあいいか、死ぬわけでなし。いや、更新が遅れたのはそのせいばかりではないんだけど。

07/11/1996 ヨレヨレ

ぐずぐずからヨレヨレにステップアップである。
昨日、あっさり根性が尽きて家で寝ていたのだが、飽きてきたのでせっかくだからと「絡新婦の理」(講談社刊、京極夏彦著)を読もうとした。が、しかし。
「あ、あら? 持てない」……ヨレヨレの腕に京極夏彦は重かった。
講談社さん、この際内容は変えなくてかまいません。巻ごとのヤマもヒキもなしでかまいませんから、分冊して出してください。病床の身(笑)では、あの重量は重くて持つことができないです。
で。仕方がないので「ほとんど以上絶対未満」(白泉社刊、桑田乃梨子著)を見ていたときのこと。4分の1スペースで、ミニスカートの制服にルーズソックスの女の子を描いて「なんとなく描いてみたけど あたしゃーやっぱり割と古いタイプの重そうな制服のほうが好きだなあ 見るのも描くのも」とか言っているもんだから、うおぉ桑田先生一生ついていきますとか思ってしまいましたよワタシは。制服はやっぱり紺サージ。この人って、私と同世代か少し上でしょうね。今時の中高校生にウケるんだろうかとちょっと考えたりもしますが。「終わらない放課後」って、どう考えても学生を終えちゃった人が持つ憧れだったりするんじゃないでしょうか。でも、私はこの人の学園モノへのこういうこだわり方が非常に好きなんだな。
とはいえ、「制服図鑑in桑田乃梨子漫画」とかいうページを作ろうかと一瞬思ったのは、いくらなんでも気の迷いでしょう。人間、体調がすぐれないと妙なことを考えるもんですね。え、そういう問題じゃない?

08/11/1996 ものの味

風邪をひくと、ものの味がわからなくなると言う。
この感覚が、どうもわからないのである。体調が変わると好き嫌いが変わるというのならまだわかるのだが、味がわからなくなって「むちゃくちゃに辛いスープを作る」とか「嫌いなものも平然と食べられてしまう」とか「味見ができなくなる」とかいうのはよくわからない。もともと味がわかるタイプの人間ではないということもあるんだけど。
私にわかるのは、風邪をひくと食事をするときに呼吸が苦しいということくらいである。ほら、息をするべき器官であるところの口が、食物でふさがっちゃうからさ。ありゃ難儀。今日も今日とて酸欠状態ってやつなのだな。

11/11/1996 失速

自分の誕生日が乃木希典と同じであることを知ったのは、日記の老舗なページのおかげである。何だ、ここって本の発売日とかも見られるんだな。意外と使えるじゃんか。
土曜日に「絡新婦の理」を読んだ。実は3分冊くらいできるように書かれてないかアレ? どうして1冊で出すんだよぅ。開きにくいんだってば、何とかしてくれェ。
それにしても、以前に今日用のネタを思いついたはずなんだが、すっかり内容を忘れてしまった。どうも最近ネタにつまりぎみ。誰か私を怒らせて(笑)くんないかなあ。

12/11/1996 鮮度

日記といいながら日の記録じゃないネタが多いこの日記、思い付いたネタを温存しておくことがある。いや、別に寝かせておくと味が出るとかいうことじゃなくて、他に日の記録なネタを拾ってしまったからなんだけど。が、しかし、ネタがないときにそれを使おうとしても、存外使えないものなのだ。文章にする気が失せる。鮮度が下がるということだろうか? とか何とか言って、使えない一番の理由は、大抵はすっぱり忘れ去ってしまうからなんだけどね。
汝は書くことがないと言う。さらば、書くことがないことを書け。うむ、至言だ(笑)。さあこれであと何日持たせられるか?

13/11/1996 本日のお言葉

今日も「ネタがない」ネタで行こうと思ったのに、ネタを見つけてしまった。ちっ。
ビジネスコンピュータニュース11月4日号「ケン井上のWeekly Letter」で、

 図体が大きくても小回りがきくという動物がいるとすれば、それは現在のマイクロソフトのようなものである。
という文言を見つけた。7年の年月と大金を投じてきたネットワーク関連テクノロジーをオープングループに譲り渡した、という主旨。あにゃ? MSって、図体デカいか? 年商だの何だのこそ大規模だけど、商売のやり方からみればえらくコンパクトな会社だと思うけど。一点集中主義で顔はひとつしかないじゃん。図体がデカいってのは、こっちじゃ強気で98を売り続けるけどあっちじゃATを売ります、ってなNECや、こっちじゃOS/2を推進するけどあっちじゃWindows一辺倒です、ってなIBMみたいな、もう相反する部門(顔)は多いわそれぞれに絶対に切り捨てられない顧客はついてるわ社長が誰になろうとかわりばえはしないわ、とにかくそういう企業の状態を指すんでないかと思っていただよ。
企業を評して「図体が大きい」と言うときは、企業体それ自体が意思を持ってしまい身動きがとれなくなるような「肥大した」というマイナスイメージをも含んでいると思っていたけど、そういうわけでもないんかな。くだんのコラムニストだって、「肥大した企業のわりには身が軽い」という意味で使ったわけではなさそうだし。どうも、単に「規模が大きいわりには身が軽い」という意味のようなんだよね。言葉って難しいのコトよ。

15/11/1996 Take care of yourself.

昨日、散髪に行った。この手の、自分のケアをする商品を売るようなところに行くと、私は大抵しかられてしまう。化粧品屋のお姉さんなんか、うっかりつかまろうものなら30分間はお説教をくらうぞ。
「洗顔料、普段を何使ってらっしゃるんですか?」
「あー、ビ○レとかそのへんのを」
「駄目ですよ、ああいったものではやはりきちんと汚れが落ちないんです」
洗顔料に始まってファンデーション、白粉まで。すべてにおいてお姉さんを呆れさせる自信がある。しかし、朝は朝で白粉だのなんだの一所懸命塗って、夜はそれらをきっちり落とすために一所懸命洗って、それを毎日繰り返すって、なんだか不毛でないかい? おりゃ考えただけで人生の無情を感じてムナシくなるぞ。
散髪の話であった。ロン毛に近い形で半端にのびてきたので、そのまま茶髪にしてセンター街をたむろしてみようかと思ったのだが、女がそれをやってもただのセミロングとしか見られないので断念し、3ヵ月ぶりに美容院に足を運んだのであった。美容師のお姉さんは親切に、主体性のない客の髪型を決め、手入れだのセットの方法だのを教えてくれる。
「今日はどのようにしますか?」
「えーと。襟あしが服の襟にかかってうるさいんで、かかんないくらいに。あとは、それと同じくらいずつ切ってください」
「じゃあ、このへんから段を付けましょうね。流れが出ますから」
「ハァ。お願いします」
「ちょっとそいでいいですか? 軽くしたほうがいいんじゃないかしら」
「ハァ。お願いします」
「乾かすときにはね、このへんに風をあてるとハネないですよ。ちょっとこのへんにクセがあるから、パーマかけるとちょうどいいんですけどねー」
「ハァ。なるほど」
お姉さんの言うことには基本的におとなしくハイハイと返事をしている。実は、お姉さんの使う用語の半分くらいが理解できないのである。そこはそれ、パソコンショップの店員も美容院のお姉さんも本質は変わらず、主たる客層が理解するような用語は、こちらが聞き返さない限り、客が初心者であろうといちいち解説なんぞしてくれないのであった。だいたい、パソコン雑誌の初心者向けはあんなにたくさんあるのに、なんで女性誌には初心者向けのものがないんだ。難しい専門用語を使わないでくれェ。
「普段、ムースとか付けます?」
「えーと。特に付けないんですけど」
「駄目ですよ、これから冬になりますからね。パサパサになっちゃいます。最近はベタつかないいいのが出てますから、付けてください」
「ハァ。努力してみます」
そんなわけで、私はお姉さんの「ちょっとだけでもいいんですからね。付けてくださいねー」の声に送られて、美容院を出たのであった。
え、今朝? そりゃーもちろん、洗いっぱなしでテキトーにしてきたですよ。お姉さんの努力は、さっぱり実ってないんでありました。


とりあえず、仕切り直し(Archive)

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