とりあえず、仕切り直し


17/03/1997 騒ぐほどのことなど

世の中には何もない。
と、私は思うわけなんだな。
ちょうど今日会社に来ていた外注の人が、他の人に渡したソフトウェアがウィルスに感染していたとかで、大騒ぎしていた。うーん。人に渡したものだから気になるのはわかるけど、よその会社に来ているときにあちこちに電話しまくって騒ぐほどのことかぁ? この人、だいたい些細なことをおおげさに騒いであちこちに電話しまくるから嫌いなんだよね。前にうちでOS/2関係の仕事をしていたときも、どっかの新聞が「IBMがOS/2から撤退するって書いていた」とかで、版元に本当に出すのか確認してみろだのなんだの、わざわざ電話してうるさいこと言ってきたっけ。これが一般人なら許すけどさ、まがりなりにもコンピュータ関係の出版に関る人が、「大手の新聞に載っていたから、ガセじゃない」とか言って騒ぐってのはいい加減マヌケだ(言うまでもなく、このネタはガセであった。あったりまえじゃん、一般紙なんか専門的な記事に関しては間違いだらけなんだから)。
どういうことでも、とりあえず人に警告なり忠告なりするんなら、最低限のウラをとってからにしたいよなぁ。騒ぐだけなら誰でもできるんだから。まあ、ちょっとそんなふうに自省してみたりするわけだ。

18/03/1997 消える領収証

というわけで、確定申告の季節も終わりである。
先日、ドトールでコーヒー豆その他を買った。会社で使うものだから当然領収証をもらう。以前は通常の紙に手書きだったが、そのときにくれたのはレジで感熱紙に打ち出したものだった。
前から気になっていたんだが、この手の感熱紙に印字した領収証って、公式にはどう扱われるんだろう? 昔よりは多分マシになっているんだろうけど、これってすぐ消えちゃうでしょ。いわゆる伝票類って何年だか保存しておくもんだと思ったけど。確か以前聞いたときには「商法ではようやくマイクロフィッシュ(だったかフィルムだったか)が認められたところで、未だにデジタルデータは駄目なんです」とかいうことだったような。そのときは素直にデジタルデータだと簡単に改変できるから駄目なんだろうと思ったんだけど、こんな簡単に消える感熱紙なんかがまかり通っているからには、そういう次元の問題じゃなかったんだろうか。つまり、単にお役人様が見慣れないメディアは不許可であるとか。それとも、管轄するお役所または法律が違うとか。
みゅう。

19/03/1997 日本茶消費月間

お茶消費月間である。
ウチの会社には、日本茶がありあまっている。手近なところに茶所静岡の出身者が2人もいて、帰省するたびに手土産としてお茶を買ってくるからである。ナントカのひとつ覚えというヤツだな。で、ウチの場合コーヒーを主な飲料としているため、これがうんざりするほどたまるわけだ。先刻数えてみたら茶筒6本、パック1袋+1/2袋もあった。げー。というわけでキリキリ減らすべく飲んでいるんだが、この程度じゃ追い付かない。だいたいうかうかしているとまた増える。ナントカのひとつ覚えをやめていただく以外に方途はない。たいがいにしろォ。
ところで、口の中にできる白っぽくて小さな丸い傷を、ずっと口内炎だと思っていたのだが、これは「アフタ」というものらしい。「家庭の医学」モノは、やっぱりひとつ持っているといろいろと便利だなァ。スプラッタな写真が不意に出てくるのには閉口するけど。実物を見るのは結構平気なんだけど、写真って実物以上に生々しくて嫌いだ。

21/03/1997 いや、いいんだけど

そんなわけで見に行ってきました、例のもの映画版。「フランダースの犬」とセットで(笑)。いや、私のセンスを疑われても。「犬」は一緒に行った人が見たがったんであって、私じゃないです。「犬」を見に行こうと言われて例のものも見たいと言い張ったのは私ですが。ちょうどとなりの映画館でやってたし。
例のもの映画版(後半)に関しては、ネタバレでない感想だけ一言。「オ、オペレータートリオが大活躍してるぅ……」シンちゃんよりもレイよりも出番の多い3人って一体(笑)。
で、「犬」だ。まあ、そのまんまな話だな。しかし、ラストシーンのCGはよくないっすよ。

3DCGを使ったのよ! テクスチャは貼ったし、ライティングだって凝りまくり!
複雑な彫刻つきの十字架のまわり込みだってできるのよ!
いろんなアニメ誌が誉めてくれるわ!
だから見て! 私を見て!
という声が画面から聞こえてきてしまったのは私だけ? ちと苦しいけど:-) いやでも本当に、「ほらほらすごいCGでしょ、見て見て見て」ってそんな感じだったんスよ。CGって使いなれない人が使うと、CGばかり全面に出てキャラクターも演出も食われちゃうような使い方するからなぁ。なんか、そんな感じだった。

24/03/1997 信じちゃなんねェ

最近わりと熱心に運動していたんだが、昨日ちょっと運動量を上げてみたらあっというまに筋肉痛である。ふくらはぎがすっげー痛い。ぬぅ、まだ足りておらなんだか。明日からペースアップだ。何故今日からじゃないかというと、今日はお休みだからなのだ。
どっちかというと、言葉は耳より先に目から覚えたほうだ。だもんで、アクセントとか結構めちゃくちゃである。さらに、読み方も微妙に間違えて覚えていたりすることがしばしばある。どう微妙か。例えば「探訪」、読みは「たんう」だが、本を読んで「たんう」と覚えてしまったりするわけだ。なまじ「探(たん)」と「訪(ほう)」の読み方を知っていたために、ふりがながふってあっても読み飛ばしてしまって違いに気付かないのである。しかもこの程度の違いだと、TVなりラジオなりで発音されたのを聞いても先入観も手伝って間違いに気付かない。で、ある日あるとき日本語入力してみて変換されず、もしやと思って辞書をひいてボーゼンとする、というわけだ。知っているつもりの単語でもたまには辞書をひくクセをつけるべきであることよ。ワープロを使って漢字の覚え間違いに気付くっていうのも、そろそろ情けない。
というわけで、師匠。私が漢字の読み方その他をさも常識のように教えてもあまり鵜呑みにしないように。実際、読み方知らなくても類推して回答してることが結構あるしねぇ:-)
ところで、「なまじ知っていると間違った読み方で覚えてしまう」言葉代表格の「ドヨ」とか「モンゼン」はまだそのままか? 昔読んだ本には「トヨ」「ブンセン」にしようという意見もある、とか書いてあったが。こういうたぐいはそう簡単には変わらんか。ま、この場合どっちで読んでも本来の読みと違っていることには変りないからどーでもいいような気もする。

25/03/1997 わかった、うるさい、だまれ、却下だ

「おりゃヘルプを見せろと言ったんだ! 誰がお前なんか呼んだ!?」
てなわけで。皆様、Office97は使いましたか? ワタクシ、諸般の事情によりWordを使うことになりました。
こいつにはOfficeアシスタントとかいうヘルプ機能が付いておりましてですね。Officeのどれでも、とにかく起動すると出てきやがるんですな。いわゆるヘルプが常時表示されるなら、まあいい。許す。呼び出すまで出ないように設定できれば。が、しかーし! ただでさえツールバーやら何やらよけいなものでせまくなっている画面にさらにアニメーションを表示するためだけのウィンドウを作り、イルカを遊ばせておくとは何事かあぁぁっ! このイルカに名前があり、それが「カイル」であると知ったとき、私の心に殺意が生まれたとしても、誰も責められはしないだろう。おりゃー、一生涯イルカの保護運動はしないと自分に誓ったぞ。
いやー。別に、初めて見たわけじゃないんですがね。他の人のところに出現したのは、見ていたんです。そのときはせいぜい「……バッカじゃないの」くらいしか思わなかった。ああ、自分のデスクトップに出てきて改めて思い知らされるこのうっとおしさ。腹立たしさ。たいがいにしやがれMicrosoft。
起動すると出てくるんで、とりあえずそんなウィンドウは消すじゃないですか。で、「あー、ここ。どうすんだべ」とかいってヘルプを呼び出すと、また出てくるんですな、このイルカ。お前なんか呼んじゃいねェぞ。
……何だかなぁ。日本と米国のインターネットTVを比較して「日本のメーカーは、初心者向けと子供向けを混同している」と言ってらっしゃったのは誰だっけ。本当、そうだなと実感したわけでした。FMVに付いてきたチュートリアルCD-ROMもそうだったな。「かるがる使える」とか言ってカンガルーのマスコットが案内すンの。CanBeにもキューハチ君とかいうハチが付いてたっけ。40代とか50代とか、一般的にパソコンに馴染みがなくてつまづきやすい初心者が多い年代の人が、こういう幼児向けマスコットを見て「ほう、こりゃ初心者でも親しみやすい」とか感心すると本気で思ってんのかな。こういうのが好きな50代がいないとは言わないけどさ、マスコットが出てくれば親しみやすくなるだろうという安直さが許せん。優しい(易しい、じゃなくて)話し方すればOKだろうって? それを子供扱いというのだ。易しいっていうのはそういうことじゃないでしょう? 実際、肝心のヘルプはちっとも易しくなってない。
一般的には、これの評判ってどうなのかな?

26/03/1997 やっぱ質実剛健でがしょ

昨日の続き。Officeアシスタント。
そんなわけで、ああいうのはワタシは嫌いなわけだ。といって、万人がああいうものは(嫌い|不要)なのかというと、存外そうでもないような気がしてきた。WindowsでもMacでも、実用性よりも可愛いさを主眼としたデスクトップアクセサリって結構人気あるでしょう。一番の有名どころではチューチューマウス。いや、チューチューマウスはちゃんと実用性もあるんだけど、どう考えても「フォーカスの合っているボタンにマウスカーソルを自動的に合わせる」機能やごみ箱機能(これは今もあるかどうか知らないけど)より、動くカーソルやアイコンが可愛いっていうほうが、人気の元でしょ。もっと実用性のないものになると、可愛いだけの時計とか、マウスカーソルを見続けるマスコットとか。アラーム機能という実用性の“免罪符”が活用されているとも思えないし、21インチのモノクロディスプレイでDTPやってるならともかく、通常のカラーディスプレイでマウスカーソルを見失うのは至難のワザだ。プログラムでなくても、壁紙とかイベントに鳴らす音とか無駄で飽きると思うけど何だか人気あるみたいだし。
というわけで、親しみやすいとかそういう次元の問題でなしに、ああいうものを「遊び心」であると解釈して喜ぶ人も多いのかな、と。
まあ、人のことはどうでもいいんだけどね。問題は私の貴重なリソースと時間を食ってくれるにっくきイルカなんであって。
ところでアレ、米国版にもあるのかね? あんまり海外のオンラインソフトであの手のデスクトップアクセサリってみかけないし、絵のセンスが日本人のものだったんで、そのへんが疑問なんだけど。MicrosoftのWebページででも自分で調べてこいって? そりゃそうだ。

付記:そんなわけで調べました。ありました。でもだいぶ印象が違ったです。バリエーション全部調べたわけじゃないから簡単には言えないけど、やっぱ日本のほうが子供っぽい。

27/03/1997 予定は未定

家から電話がかかってきて、「パソコンを買いに行くから付き合え」と来たもんだ。
そう言われてもねぇ。どうせ機種選定とセットアップは私の仕事なんだろうが、最低でも予算くらいは出してもらえないと、下調べもできないではないか。行ってから考えるようなもんじゃないんだぞ。とりあえず、ソフトウェアから電源ケーブルにいたるまで、とにかく一式ひっくるめた予算の上限と、パソコンでもってやりたいことを可能な限り具体的に書き出して、FAXするように申し渡す。でないと予算配分もできやしない。
……しかしこれ、「メールで送っておいてねと言えれば楽なのにぃ〜」とかつい考えてしまうあたり、私もいいかげんオロカだ。

28/03/1997 明日は帰る

何かと話題のInternetExproler 3.02をひっぱってくる。諸般の事情によりフルパッケージが必要になって、しかも雑誌付録CD-ROMを待っていては間に合わない。どかんと10.4MB、28.8kbpsのダイアルアップ接続でgetだ。豪気だねぇ。ほぼベストに近い回線状態で1時間強。Just Add OS/2 WARPの3MBかそこらでぎゃーぎゃー言っていた日々が懐かしく思い出されたことであるよ。雑誌付録CD-ROMなんて誰にもいいことはないと思っていたんだけど、それなりに需要がないわけじゃないってことか。
雑誌CD-ROMの悪い点。

誰にとってもいいことなし。雑誌付録以外に流通手段があればそっちがいい。でも今のところ、無償配布しなきゃならない修正モジュールなんかを抱えているメーカーにとってはおいしい存在だ。何せ、流通コストを出版社がもってくれるんだから。それも相手から頭を下げて。もっとも出版社もその分売り上げを見込めるわけだから、持ちつ持たれつってやつか。

31/03/1997 煙が目にしみる

と、思い出すのが大和眞也とか新井素子だ。つらくて泣きたい女の子に煙草を渡して「涙がごまかせるから、吸ってろ」って言ったのは、森村一郎だっけ? 太一郎さんだったような気もするし、きつねさんやら尚登あたりが言っても似合いそうな台詞だ。んにゃ、尚登は女の子にそんな優しいことしなかったか。その昔私は、大和眞也の「水曜日には雨が降る」を追いかけて伊良湖まで行ったことがあるのだ。作中に出てきた喫茶店も、偶然だけど見つけて。10年近い昔の話だけど(笑)。何だかわかりにくいシリーズで、未完のままになっているストーリーの続きを読みたいとさえ思わないけど、どうしたかげんだかいまだにあの話だけは好きだ。夏、ミントグリーンとシャーベットオレンジのストライプのワンピース、デリンジャー。
で、金曜日の日記(タイトル)で予告したとおり、週末は実家に帰ってきたわけだ。土曜日は雨だったのに、日曜日の秋葉原は消費税Up前商戦をあおるがごとき快晴。ああっ、人ごみは嫌いだよう。おうちに帰りたいよう。The Computer館を駆け抜けてディスプレイとプリンタ、ソフトウェアを調達。ブレスに行って本体のパーツ一式を調達。インストール用FDを作るのに30分くらいかかるというからその間にT-ZONEに行ってモデムとOAタップを調達。ブレスに戻ってパーツその他受け取り。以上で約2時間半。疲れた。
家に帰っても作業は続く。パーツを買ってきただけだから組み立ててインストール、プロバイダへのオンラインサインアップ(!)までしなければならない。とりあえずマザーボードにCPUとメモリ、ビデオカードだけくっつけて電源ON。おー、いけるいける。FDDとHDD、CD-ROMドライブ、サウンドカードとスピーカーをくっつけて電源ON。
がたがたがたがたがたがた……ほへ?
音の源をたどると、それはFDDだった。止め方が甘かったのかと思ってネジをしめ直してもとまらない。温まってくると音は少し小さくなるが、それでも尋常でない音がしている。あげく変な匂いがしてきた。ああっ、煙が目にしみるぅ。触ってみると異様に熱を持っている。中止だ中止。
というわけで、見事にFDDの初期不良にあたってしまったわけである。やれやれ。今週中に何とかヒマを作って秋葉原に行かなければ。


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