とりあえず、仕切り直し


13/03/2010 たぶんそこじゃ音は聞こえない

ISASメールマガジンに「今週も、はやぶさ君は元気にイオンエンジンを吹いています」というフレーズが出るたび、「エンジンの音 轟々と 隼は征く 雲の果て」と加藤隼戦闘隊の歌が脳内を流れます。ここまでしかわからないんだけどな。川柳川柳がいつもそこしか歌わないから。

と、いうわけで、「快楽亭ブラック毒演会」に行ってきた。正直言って快楽亭ブラックにはまったく興味ないのだけれども、ゲストである川柳川柳の演目が「ジャズ息子」となっていたので。普通に寄席行っているだけでこれを聴ける可能性は限りなく低いんだから、演目がわかっているときにすかさず行かなければ。70歳過ぎた芸人相手に「次の機会」「また今度」があると思うなというのは、いい加減身にしみたよ。玉置宏が司会する「にぎわい座名作落語の夕べ」だってとうとう行きそこねたしな。

当人も「これは疲れる」「ガーコンが一番楽」と言っていて、確かにもうこれをやるのはしんどそうだなと思った。何年か前に口演したものの録画を動画配信で見たことがあるのだけれども、そのときよりもキツそうに見えた。でもさすがに口ジャズは軽やかですごい。

14/03/2010 週末は雨続きだったので

東京国立近代美術館フィルムセンターで「NFC所蔵外国映画選集アメリカ映画史研究」という企画をやっていて、最終日の今日ようやっと行ってきた。結局「フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル」(バスビー・バークレー監督)1本のみ。ジーン・ケリーのスクリーンデビュー作というだけで見に行ったのに、これはちょっとした見ものだった。すごいよ前半と後半とがまったく別の映画になってるよ、前半はありがちなMGMミュージカル映画なのに後半は国策映画だよ!

時代背景が第一次大戦で、前半でも登場人物が読んでいる新聞の見出しに「ドイツ軍パリにせまる」だの「起てよアメリカ」だの「アメリカついに参戦」だのと、さりげなく経過がわかるようになっているんだけれども、ヒロインの弟が戦死し主人公に召集令状が届くあたりから風向きががらっと変わる。ヴォードヴィリアンとして一流になるのを目指していた物語はどこかに飛んでゆき、戦争協力一辺倒に。endマークの後には「祖国は君の協力を待っている、国債を買おう、この劇場でも売ってるよ」とか出てくるの(日本語字幕なしだからチトあやしいけど)。映画館でも戦時国債なんて売ってたんだ。もちろん映画の中でも国債を売るシーンが出てきていて、せっかく「戦争に協力しないと女に逃げられる」とも刷り込んだのだから、そこまでやらないと宣伝として確かに片手落ちかもしらん。面白いなぁ。

ジーン・ケリーってこの当時すでに30歳ということもあってか、デビュー作からかっちり固まっていたんだな。歌はさほどうまくないし、演技はワンパターンだし、顔やスタイルも十人並みだけれども、踊りに関することだけは超一流。


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