とりあえず、仕切り直し


30/07/2010 発売は4月なのに

「浜松町かもめ亭『文化放送アーカイブス蔵出し落語特選』刊行記念会」というのに行ってきた。文楽・圓生・志ん生の音源を収録したCDの発売に合わせて(というにはずいぶんとタイミングが遅いが)弟子・孫弟子を集めた会で、五街道雲助「元犬」、川柳川柳「楽屋むかし咄」、桂文楽「素人鰻」、俗曲の笹木美きえに前座は立川こはるで「寄合酒」。ガーコン以外を生で聴ける機会は逃しません。ええ逃しませんとも。

「元犬」は若い人がやっていると犬が大変に可愛らしくてよいのだけれども、これくらい年配の人がやると上総屋がとても優しそうに見えてそれもよいな。「楽屋むかし咄」は、上品をもって旨とする当「仕切り直し」ではあらすじも書けないようなソレコレのエピソード。しかしネタにもされていたが、ほかにも直弟子が現役で存命なのにも関わらず何かとこの手の企画に呼ばれる破門された弟子というのも、ちょっと面白い立ち位置だ。「素人鰻」は、「鰻屋」じゃないほうの「素人鰻」は初めて聞いた。というかこっちが本家「素人鰻」なんだよな。

ところで仲入りの間に持ち込んだ本を読んでいて、ハタと顔を上げたら笹木美きえがすでに高座に上がっていてびっくりした。今日は出囃子を兼務していたのだそうで、そりゃ自分の出囃子を自分で弾くわけにはいかないから出囃子なしで出てきたために、「いつのまにか高座にいた」ように見えたのか。高座に上がるのがメインの活動というわけではないようで、微妙にもの慣れない風情ではあったのだけれども、その分おしゃべりよりも唄をたくさん聴かせてくれて面白かったことであるよ。


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