とりあえず、仕切り直し


16/12/2010 まずはめでたい

秋田県田沢湖で絶滅したと見られていたクニマス、山梨県西湖で生きていた。へー。確かに「釣りキチ三平」で読んだ覚えがあるわ。事実は小説よりナントカだねぇ。

「釣りキチ三平」というか矢口高雄作品って、昭和の当時は魚の絵が細かくてすごいくらいしか思わなかったが、今見ると背景を初めとする自然描写の美しさに驚かされる。漫画を見て漫画を描いている、がんばっても資料写真を見て描いている人にはとても太刀打ちできない、現物に囲まれて現物を観察し続けて育った人間ならではだなと思う。

26/12/2010 あれくらいヨユーヨユー

SPACE BATTLESHIP ヤマト」見てきたよー。

いや、前評判というか実写化に文句を言っている人たちの物言いに違和感があったので。だって、まるでオリジナルのヤマトが傑作だったみたいに聞こえるんだもの! あれが傑作だったのはせいぜい「さらば」までで、その後は商売と西崎義展の情念だけで引き伸ばされたグダグダのどーしようもないシロモノだったじゃない。「さらば」までなら「今見るとアレなところもあるけど時代性を考えればこれで十分、斬新だった」とか言えるけど、その後は当時からすでに言い訳しながら見る(お兄ちゃんたちが「だってガンダムってついてるから」と文句言いながらSEEDとかOOとか見てるような感じ? チト違うか)ものだったと思うのだけれども。時間はすべてを美しく変えるとはいえどうにもこれはフェアじゃないよな何か気の毒になってきたからいっちょ見てくるか、と。

うん、とりあえず日本の映像SFはしばらくの間「群体で、学習能力が高くて人類の攻撃に即応してきて、結晶みたいなので人間に取り付く異星体」は使用禁止な。半年足らずの間に見に行った映画3本、敵が全部これってどうなの流行モノなの。それと、猫はもう少し役者に懐かせておいたほうがいい。ラスト付近、佐渡先生に抱かれて神妙にヤマトを見ていなければならないミーくんが、前足つっぱって抵抗してにゃあにゃあ文句言っていて(声はのっていないが口が動いてる)、あからさまに「抱っこイヤ、下ろせ!」の態度なのはいかがなものか。いや、まあ、懐いていてもやるけどね、あれ……。

仕方のないネタかぶりと猫飼育者以外にはどーでもいいようなところは置いて、そんなにひどい出来ではないよ。劇場のなかでわくわくして、その後買い物したり美味しいもの食べたりして、ああ楽しい休日だったって帰ってこられる、フツーの娯楽映画。70年代SFレベルのツッコミどころを残さなくてもと思ったが、レトロ感を狙ったというのもわからなくはないし(でも、日本人はいい加減、放射能と放射線と放射性物質とを区別できるようになってもバチはあたらないと思う)。木村拓哉は何をやっても木村拓哉にしか見えないという批判についても、普段彼を見る機会がない身としてはああいう役柄にしたんだ時代が違うんだからそれもアリかとしか思わないし。オリジナル版を完結編まで耐えられたくらいフトコロの広い人なら、十分楽しく見られるんじゃないかなぁ。


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