とりあえず、仕切り直し


15/09/2011 物見遊山

アクアマリンふくしまへ行ってきた。シーラカンス関連のニュースで知っていて、行ってみたいなでも遠いななどと何年も考えている間にあの地震。まったくもって、いかなるものにも「また今度」「そのうち」があるとはかぎらない。7月には再開していたところを、夏休みをさけて9月に入ってからの平日、青春18きっぷの期限内に。

入り口にはシーラカンスのオブジェクト(26,277bytes)がお出迎え。屋根はガラスばりで、2階の展示(34,735bytes)はほとんど自然光で見られる。いわしトルネード(31,776bytes)ができている大水槽にも外からの光が入っていた。そしてこの陽光あふれる館内で、たくさんの解説ボランティアが来館者へ質問をするべく、てぐすねひいて待ちかまえているのであった。前述の2階展示の水槽前ではこんな感じ→「この水槽にいる魚は、震災の停電でも生きのびたんですよ。どうしてだと思います?」ハテ停電……低温に強かった? No. フト気づいた、生い茂る水草に気泡がたくさん付いている。そうか、水草の光合成で酸素の供給が途絶えず水質の悪化も抑えられたから。「そうです。我々もこんなに違うのかと驚きました」どの解説ボランティアにもかならず一度は向こうから質問されたし、こちらからの質問にもまずは「どうしてだと思います?」と返されたので、施設自体の方針として来館者に「何故」と「答え」を考えさせているのだろう。解説係を配置する施設は何箇所か見たけれども、こういうのは初めてだ。面白いな。

バックヤードツアーも行った。受付へ通りがかったところちょうど前回の組が戻ってきたので、次はいつごろ出発か訊いてみたらすぐに出られますよとの返答。いや、あの、わたし1人しかいませんぜ? 本当にマンツーマンでも出発しそうな勢いだったが、通りがかった来館者を2名ほどつかまえて出発。平日で来館者控えめだったとはいえ、熱心でフットワーク軽いよここの解説ボランティア。裏の機材や、通常は前からしか見られない展示を上から見たりして大変興味深かった。「アクアマリンふくしまの復興日記」でよく見た搬入口の前が、搬入のためにスロープにしてあるのかと思ったら、元は平らだったものが地震の液状化現象で斜面になったのだそうな。ここも水につかりました、ここまで水が入りました、と聞かされても、一部の機材があきらかに交換したての新品であることをのぞけば、壁などに経年以上の汚れが残っているわけでもなくとてもそうとは見えない。バックヤードで行き合う職員はみな笑顔であいさつしてくれたが、復旧にたずさわっているときはさぞ大変だったことだろう。彼らの尽力に敬意を表したい。

バックヤードツアー終了後、館内のレストランで食事を摂りミュージアムショップを物色してからお目当てのシーラカンスコーナーへ。入ってすぐにシーラカンス標本(24,267bytes)が目に飛び込んでくる。裏にまわると腑分け済み(29,243bytes)。色の褪せた標本はもちろん、映像でも反射で目が光ってしまっているから、展示されていたオブジェクトの解説で初めて「シーラカンスの目は緑」って知ったよ! コーナーを出たらアトリウムの金魚展示。古式にのっとってちゃんと上から鑑賞できるようになっている。どの水槽でもこちらが近づいただけで金魚ども(24,180bytes)が餌をもらう気満々で口をぱくぱくさせながら寄ってきて、こいつら飼い馴らされていやがるな。

復興日記の「1尾1,400円のエビ展示」で予備水槽がないから海老だらけ水槽(47,342bytes)になっているとあったように(見た瞬間「うわ」と声が出たね)、まだ生物は回復途上らしく過密だったり過疎だったりもしたが、それでも広くて充実した館内で、11時前に着いて15時過ぎまでまる4時間、食事以外はずっと見てまわっていた。当日は風もなく暑すぎもしない良い天気で、館内から見る小名浜港(20,587bytes)は波もなく穏やかで青く綺麗なだけの海で、でも足元の地面(32,431bytes)に目を転じると修復が終わっておらずぼこぼこだし、対岸に見えるいわき・ら・ら・ミュウもまだ閉鎖中だし、何だか反応に困ってしまった。帰り際にそういえばがれきで舞台を作ったというがれき座(47,843bytes)はどこだったのだろうと考えたが、実は入ってすぐの駐車場にあった(20,709bytes)のだった。イベントとかやっていないとわからんわいね。


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