とりあえず、仕切り直し


16/11/1998 エレベーターでスカウトされて

のほほんと昼ご飯の買い出しから帰って、上行きか下行きかも確かめずに、来たエレベーターに乗る。実は下行きのエレベーターで、地下についてしまう。だいぶ以前にふれたが、地下ではあやしげな営業および経営者向けのセミナーが行われているので、そこで乗ってきた人とは目を合わせないようにしつつ行き先である6Fのボタンを押す。すると、地下で乗ってきた人の目がキラリと光ったことだね。

「6階……ですか」
「は、はァ、6階です」
「そちら、出版関係ですな」
「は、はァ、そんなようなものです」
「実はうちでもちょっと出版を考えてまして、できればお話をしたいと考えておるんですが」
タスケテクレェ!

強引に名刺交換となってしまったことだよ。とりあえずウチの社長に報告して社長の名刺をもらって渡す。

「そちら、ソフトバンクさんとかでいろいろと本を出されたりして、有名ですな」
弊社にはよく似た名前の同業他社がある。そこと間違えてないか? あちらさんは著者名として扉なんかに名前が記載されることが多いから有名と言っても間違いではないが、ウチは基本が裏方だからフツー読者は知らないぞ。カマをかけてみる。
「いや、その、ウチは名前の出ない仕事のことが多いですけどね、その、編集なんで」
「ええ、編集協力などでよく出ておられますな」
うわぁ、調べられてる、調べられてるよ! 「編集協力」の名目で覚えているなら確かにウチのことだ。

とりあえず、社長が不在がちだから話をするのなら事前にアポをとってくれと言ってお茶を濁しておく。マズイ仕事ならばきっと(スケジュール|予算|社風)が合わない等を理由にして社長が断ってくれるだろう。そうに違いない。だってそのための権限なんだから! ええ、ワタシは新聞を断るときに「夫に聞いてみませんと」と答える人間ですとも(注:ワタシは独身である)。

雑居ビルといえども、ご近所付き合いは難しいことであるよ。

17/11/1998 報告のみ

おこのみ材料倉庫に1タイプ3点データ追加。この調子で増やすつもりなら、構成に大幅な改革が必要だ。展覧会のほうは、このまま続けるつもりなら存在自体に大幅な改革が必要だと思うんだが。

18/11/1998 説得材料を集めてみる

おこのみ材料倉庫について、大幅な構成の改革を考えている。frameを使ったほうがメンテナンスで楽ができるかなぁ。サンプル画面を出すのに(個別にHTMLファイルを用意したほうが軽くなることが容易に予想できるにもかかわらず)CGIを使ったのもメンテナンスの手間をできるかぎり省きたかったからなんで。frameを使ったほうが楽ができるなら、frameを使うことをためらう理由はあるんだろか?

いや、その、さんざんそういうのをけなしてきたのに今さらそんなことハズカシクてやれるかい、っていう理由は除くとして、ですが。

現在見ているページのURLがわかりにくい、っていうのは、frameを嫌う理由のひとつではあるな。でもそれが、メンテナンスの手間と比較してなお無視できないほど強い理由かっていうと、そりゃそんなことはないわけで。だいたい見る側の理屈であって作る側の理屈ではないな。見る側の理屈としても、直接特定のページをbookmarkに加えておきたいとかそんなような、URLを知りたいという要望がない場合には成り立たない。とはいえ、実のところ、ページを作る側が考えるよりはずっとこの要望は多いんじゃないかと考えているわけだが。時間をさくのみならず人によっては電話代と接続料金を払って見るわけなのに、わざわざindexページとかtopページとか呼ばれるところを経由する義理は、見る側にはないわなぁ。それよりも必要なデータがあるページを直接見たほうがいい。しかし今考えているようなケースでは、この要望はほとんどないんじゃないかと考えている。

「なんとなく、ヤダ」というのも立派な理由かもしれん。公僕のサービスじゃないんだから、感情的に嫌だからやらないというのも、提供する側の権利のうちだわなぁ。もちろん、その結果として利用者を減らすことも含めて。が、こう見えてもワタシは自己顕示欲が強いほうなので(でなけりゃ誰がこんなメンドクサイことやるかい)、利用者が減ることと「なんとなく、ヤダ」とを天秤にかけてどちらに傾くかは、わりと自明のことだ。「絶対に、ヤダ」ならともかく。たとえばここでJavaScriptなりDynamicHTMLなりを使うのは「絶対に、ヤダ」になるが、frame程度なら「なんとなく、ヤダ」の範疇におさまっている。

frameを使って手直しをするためにHTML 4.0 Specificationを読むのがシャレにならない手間だ、っていうのもあるな。良い機会だから勉強するか? CSSとのからみなんかを考えるとかなりやる気がなくなるんだが。

ええ、自覚しております。理屈をこねて自分に言い訳しているだけですとも:-) 3月にどんな構成をどんな言い訳でもって公開するか、見物ですぜ。

20/11/1998 敬して遠ざけたい

久々にカタログからスペックを引き写しまくるような仕事をする。昔と違ってWebがあるから大変に楽。つまらん仕事ではあるのだが、まとめてやっていると各社の傾向はそれなりにわかってくるし、全体としてのトレンド(死語)はつかめるし、広報とかと連絡をとっているといろいろと面白いんで、決して軽視すべからざるものではある。ではあるんだが、でもやっぱりこれって、奴隷仕事だよな。

24/11/1998 ラジオと化粧

弊社ではラジオをつけっぱなしにしているため、フト耳に入ってくる番組ではタイトルさえわからない。というわけで何という番組の何というコーナーなのかわからないが、メイクアップアーティストを呼んで化粧に関する質問に答えるコーナーがあるのだ。このメイクアップアーティスト氏が、男性だがいわゆるおネェ言葉でしゃべっていて、漫画なんかでパターン化されたメイクアップアーティストのイメージそのまんま。事実は小説より奇なりというべきなのか、漫画がリアルだったのか、わざわざそういう人を探して起用したのか。この人の話自体は、聞いていると結構面白い。

どーでもいいけど、よく来る質問の「プロのメイクアップアーティストや、モデルとか女優が使っている化粧品を参考にしたい」って、何か違わないかなぁ。雑誌のモデル程度ならともかく、ステージモデルや女優が使っているのを日常で使ったら強烈すぎないか? 前提になるライティングがまったく違うんだからさ。オフィスやレストランには照明さんはいないはずだぞ。とか思うのは、ワタシの化粧の原点が舞台用のものだからかもしれん。なにせ、3歳で最初にぬったのがファンデーションじゃなくてドーランだからな(だから化粧が嫌いになったんだ、きっと)。

30/11/1998 慣れるまでの辛抱か

土曜日に高校時代の友人の結婚式の二次会出席。久しぶりにパンプスをはいたら、靴ずれはできるわ足首にガタがくるわでひどいことになる。こういうものをはいて満員電車に乗って1時間以上かけて通勤していた時代が自分にもあったことが、今となってはまったく信じられない。靴ずれに関しては、徹夜明けで足がむくんでいたという事情があるんだけども。

今となっては信じられないというが、そもそも午前7時前に家を出ていた高校時代はもっと信じ難いものがある。毎日毎朝6時半起床。いったいいかようなる高等魔術を用いてそんなことを可能にしていたのか。土曜日にいわゆるところのスーツを着たために比喩としてではなく肩がこったが、毎日起きている時間の大半を、あれとほぼ同じものを着て過ごしていたというのもただごとではナイ。人間、どんなことにも慣れるもんだ。

……と、いう調子で、3D酔いもなんとかなってくれるといいんだけどねぇ。今度買ってきたゲームときた日にゃ、始めて5分で胃の奥から内容物が込み上げてくるんだ。

とりあえず、仕切り直し(Archive)


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