とりあえず、仕切り直し


15/01/2005 5本立て

こいつはいかん。フト気づいたらI・Dollまで1ヵ月しかないではないか。在庫があるからといってダレている場合ではない。

とか何とか言いつつ、昨年の話から振り返る。失意のあまり詳細を書けなかった先のドールズ・パーティで、少々変則的な贅沢をしたのだった。椅子のオーダーメイド。いつもイベントで目を惹く見事な椅子類を展示しているディーラーがあったんだが、サイズを尋ねてみたら微妙に大きさが大きさがあわなかったためオーダーし、その椅子が届いたという次第。VolksのSRあたりで売られている椅子より、座面をかなり低めにしてもらっている。足が床に着かずぶらぶらさせている座り方というのが顔と合わない幼児っぽさで嫌だったので。写真の日付を見て笑うヨロシ。→椅子アレックス(35,729bytes)

三人三色」(ポン・ジュノ/ユー・リクウァイ/石井聰亙 監督)を見ました。チョンジュ(全州)国際映画祭の企画として作られた、デジタルフォーマットで1本30分程度のオムニバス映画。自国が一番優れているというプロパガンダのためにあえて格下の監督を呼んできたんじゃないのかと陰謀論をとなえたくなるくらい、ポン・ジュノの「インフルエンザ」だけ図抜けて良い。それ以上に、他2人が悪すぎる。

ユー・リクウァイの「夜迷宮」は、ペーパーなりクレイなり、アニメーションで撮ればよかったんじゃないかな。ストーリーのデフォルメ具合に映像のデフォルメ具合がつりあってない。尺も半分でいいと思う。もっと削ぎ落としたら寓話として成立したんじゃないかと。石井聰亙の「鏡心」は論外。話にならん。中学校の演劇部でよくこういう脚本を見たなあとか懐かしくなったよ:-p 幼稚にもほどがある。

さて「眼下の敵」(ディック・パウエル監督)を見て「やはり潜水艦配属は嫌だ」と認識を新たにしました。たとえ七つの海を支配する人類最強の艦で美少女艦長が全身微息でも潜水艦だけは嫌だ。あの中でソナー音なんか聞かされたら泣いて錯乱する。しかし、ま、同じUボートを扱って敗戦国ドイツと戦勝国アメリカでこうも違ってくるものかね。で、「戦場にかける橋」(デビット・リーン監督)も。……OK、よくわかった。捕虜収容所の捕虜も嫌だ。戦争反対。平和万歳。

「恥をかくと死ななきゃならない」日本人と、「規律を守るためなら利敵行為も厭わない」イギリス人と、「ンなことより女口説いて楽しくやろうぜ」なアメリカ人の対比……なのかもしれんが、この場合アメリカ人はいらんような気がしたな。日本と英国の気質が軍隊の論理の中でヤバいレベルにまで濃縮されていくところを描写している映画なのであり、米国気質はそこと関係してこないので。軍隊の論理の外にいる傍観者としてなら軍医がいたわけだし。

やっと日付が追いついてきたような気がしますが「ハウルの動く城」(宮崎駿監督)。「ジブリ」がブランドとして成立して以降の宮崎駿映画は、潤沢な予算をつぎ込んで視覚的な刺激にだけは不自由しないように仕上げているから、スクリーンの前にいる間たいくつしないことが保証されているが、劇場を一歩出た瞬間にすべて忘れて同行者とおしゃべりしつつ次に行くレストランのことを考えられる程度の中身しかないあたり、ハリウッド映画と同じ性質のシロモノだと思っているのだが。まさしくその程度の期待で見に行ったものの……おいおい、宮崎御大ついにボケたか? 派手な映像でごまかせないくらい、シナリオが完全に破綻してるじゃないか。木村拓哉が前評判に反してマトモだったことくらいしか見るところがないぞ。

同日にハシゴして「笑の大学」(星護監督)を。こちらに稲垣吾郎が出ているため、はからずもSMAP主演映画を2本続けたかたちになりました。演出も演技もまんま舞台で映画になってねェとは思いましたが(元になった舞台は未見。単純に、間の取り方とかシーンのつなぎ方が舞台演劇の呼吸そのままだと思ったので)、「ハウル−」でささくれだったココロを大いに潤してもらいましたよ。喜劇をちゃんと作れる人ってすごいな。


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