とりあえず、仕切り直し


05/11/2009 寒くなってきたせいか

ゆうべ、アキが布団にもぐりこんできた。ミカは少し気難しいのでまだ一匹で寝ているのだが、寒くないのだろうか。→この状態でアキが熟睡できるのが不思議で仕方ない(18,914bytes)

母なる証明」(ポン・ジュノ監督)を見てきた。オープニングで踊る母の姿、表情を一瞬たりとも見逃してはならない。あれは完璧。「殺人事件の容疑者となった息子を救うため、真犯人を追う母親の姿を極限まで描く、ヒューマン・ミステリー」というキャッチコピーから日本人がイメージする映画とはかなり異なっているので(いやこのコピー、嘘は言っていない。言っていないことがあるだけで)、“泣ける”母子モノと思って敬遠している人がいたらもったいないのでぜひ見ておくとよいぞ。

その昔、1980年代の終わりから1990年代初頭にかけて、当時韓国映画の最高峰と言われたイ・チャンホの「旅人は休まない」をはじめとする80年代韓国映画が日本で紹介され始めたころ。「旅人は―」やペ・ヨンギュンの「達磨はなぜ東へ行ったのか」を見てそのあまりの難解さにくらくらし、韓国人とはなんと哲学的かつ芸術的なものを好む民族なのかと驚いたものだった。いや、ロードショーでなしに特集上映なんかで海外に出る映画ならそんなものでしょって、中国から同じように張芸謀や陳凱歌、田壮壮ら第五世代の映画が入ってきていた時期ですよ。難解さではちょっと比較にならなかった。後に韓流ドラマのブームで、なんだやはり普通の韓国人は普通のメロドラマも好きなんじゃないのと妙に安心したのだが。でも、韓国ってポン・ジュノ映画が観客動員数の記録を出してるんだよなぁ。日本なら典型的な「映画祭で高評価、売り上げイマイチ」になりそうなものなのに。あ、ポン・ジュノ映画は難解ではないよ、ただ日本ではヒット作にはなりそうにないってだけで。

10/11/2009 同じ古典芸能といっても

過日、「第3回古典芸能を楽しむ会」というのに行ってきた。鈴々舎わか馬がもの好きにも「ガーコン」をやっているというのは聞いていて、ぜひ一度聴きたいものだと思っていたら、おあつらえ向きにこの会があったので。宝井琴柑「村越茂助 左七文字の由来」、鈴々舎わか馬「ガーコン」、柳家はん治「背なで老いてる唐獅子牡丹」、ナイツの漫才、三遊亭白鳥「トキそば」。

レコードが普及して全国的な流行歌というものが生まれるようになった昭和初期ののんきな歌謡曲から始めて、軍歌に入り、口ジャズと口脱穀機へという構成。当然のことながら川柳川柳と違って自分の時代を語る形式ではないので、「昭和20年までの昭和史を歌で語る」形式とするために昭和初期から始めているのかな? とはいえ、メインは軍歌になるのだけれども、軍歌を歌うことに対するエクスキューズがたびたび入る(「別に戦争がいいってわけじゃないんですよ」というような)あたり、やはりこの演目の扱いは難しいのだろう。鈴々舎わか馬に川柳川柳のようなあっけらかんとした軽やかさがないためなのか、戦後生まれが現代において極端に忌避されている軍歌を歌うことへの風当たりからくるのか、そのへんはわからないけれども。まあそれはそれとして、鈴々舎わか馬の歌い方なら、軍歌よりも昭和初期のとぼけて能天気な歌謡曲のほうがわたしは好きかなぁ。

三遊亭白鳥はここに来る前に国立劇場の催しで「トキそば」をやったのだけれども、他が重要無形文化財とかで浮きまくり、客席が冷え切っていたからまた「トキそば」やってもいい? という枕。いや、本当に国立劇場で受けなかったのか話を作っているだけなのかは知らないよ。でもその企画内容を見ると、ここに三遊亭白鳥はないだろうというか、長唄とか神楽とかを目当てに行って三遊亭白鳥が出てきたら誰だってあごが外れるよというか。面白かったし、こっちでは大いに客席をわかせていたけれども。

15/11/2009 本当は寒さに負けただけ

猫がいるのだから様式美に則ってコタツを用意せねばなるまいと、ようやく晴れた今日コタツ布団を干した。昨年は出さなかったので猫どもはコタツを初めて見るのだが、セッティングしている最中から目を爛々と輝かせてまわりをうろちょろ。できあがったらすぐ中に入り込んだ。電源を入れていないので布団以上に温かいわけではないものの、どうもそんなことよりコタツを出入りしつつ相手に飛び掛かるというのが楽しいようだ。追いかけっこの新しい大道具ができたというところか。

猫どもは母猫の胎内にいたときからずっと一緒に育った兄妹猫なのだが、性格がいろいろと違い、それぞれやることやらないことがある。アキは朝の食事前など一心不乱に布団やわたしの腹を踏んでいるが、ミカはこれをやらない。ミカは食事後にかならず顔を洗っているが(当家に来た初日の写真ですでにやっている)、アキはそもそも顔を洗っているところを見たことがない。アキのほうがおっとりした甘え型のわりに呼んでも知らん顔なのに、名前を呼ぶとちゃんと来るのは気難しいミカである。重なって寝ているときはかならずミカが上だとか、出迎えのときアキはドア前ミカは下駄箱の上が定位置だとか。

猫は複数の雄猫の子供を一度に妊娠可能というのを聞いてから、もしかしたら父違いの兄妹なのかもしれないと思うこともある。お隣さんで飼われているサビ3姉妹のほか2匹も、ミカにそっくりなほうはミカと似た少し気難しい性格でなるほど姉妹であると思えるのだが、“短い”子はアキともまた違った人懐こさで、2kgちょっとしかない小さい体にもかかわらず大変勇敢な性格である。まあ、DNA検査でもしてみなければ真相はわからないのだけれども。


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